食事で気を付けたいこと

食事で気を付けたいこと

糖尿病の食事療法において、絶対的な禁止事項はありません。
極端な食事制限は不要であり、食べてはいけない食品などもないのです。
しかし、「コレを止めれば大丈夫!」といった明確な指標がないからこそ難しい、という捉え方もできます。

気を付けたいポイントは、食事の量と栄養バランスです。
ただ食べる量を減らすのではなく、身体に優しいものを選んで摂取する意識でメニューを組み立てると良いでしょう。
また、量が適切でも栄養が偏っていると、高血糖や合併症の進行が加速してしまう恐れがあります。
まずはご自身にとっての適量と必要な栄養素を知るところから始めてみてください。

食べ方のポイント

食事の内容も大切ですが、食事の仕方についてもポイントがあります。
最も基本的な項目としては、1日3食を規則正しい時間に摂取することです。
例えば、朝食を抜いて昼食をガッツリ食べる、昼食と夕食との間隔が不規則、3食の他に間食を挟む、深夜に食事を摂る、あまり噛まずに早食いする、といった状態が習慣化している場合は、なるべく改善したいところです。
急激な血糖値の上昇や肥満(インスリンの働きが弱まる)を防ぐ為にも、以下のことを心掛けていきましょう。

  • 1日3食、規則正しい食習慣
  • ゆっくり噛んで食べる
  • 満腹まで食べない
  • 必要以上の間食は控える
  • 就寝の3時間前には食事を終える

注意したい栄養素

糖尿病の方が摂取する際、特に気を付けたい栄養素をまとめました。
毎日の食事の中で摂り過ぎないよう注意し、健康な生活を目指しましょう。

糖質

言うまでもなく、的確に高血糖を悪化させる栄養素です。
血液中のブドウ糖を増やし、脂肪の蓄積も後押しします。
ただ、糖尿病の方にとってはマイナスイメージが大きくとも、人体にとっては必要なものなので、許容量をオーバーしないよう管理していくことが重要です。
お菓子屋ジュース、炭水化物などに多く含まれていますが、無理に制限するとストレスで不調を招く可能性がありますから、ご自分の身体と主治医に相談しながら上手な付き合い方を模索してください。

塩分

塩分は直接、血糖値を悪化させる作用を持っているわけではありません。
しかし、塩分を過剰に摂取すると、体内のナトリウム濃度を下げる為に身体が水分を要求します。
そうして多量の水分を摂取した結果、肥満症を引き起こし、インスリンが効きにくい身体になってしまうのです。
また、塩分は高血圧も誘発するので、合併症のリスクも高まります。
食品はもちろん調味料にも配慮が必要です。

脂質

脂質(脂肪)の過剰摂取は、2型糖尿病や合併症の発症リスクを高めます。
また、コレストロールや中性脂肪の数値に異常をきたす脂質異常症を引き起こし、糖尿病の合併症としても有名な動脈硬化、心筋梗塞、狭心症などの原因にもなるため注意しましょう。
糖尿病の方は脂質異常症を招きやすく、脂質異常症の方は糖尿病の合併症(特に動脈硬化)の進行が早まります。
互いに悪影響を及ぼし合う相互関係を持った糖尿病と脂質異常症を両方回避するには、脂質の管理も怠ってはいけません。
脂質は肉類、油脂類、乳製品などに多く含まれています。