食事で気を付けたいこと

食事で気を付けたいこと

糖尿病の方は、そうでない方よりもさらに、食事に気を配らなければなりません。
暴飲暴食が食後過血糖を招くのは言うまでもありませんが、摂取カロリーが適正範囲内であっても栄養バランスが偏っていると様々な不調の原因になります。
例えば、糖質が多過ぎると高血糖が、塩分が多過ぎると高血圧が、脂質が多過ぎると動脈硬化がそれぞれ加速するでしょう。
食事は量と質、どちらも大切なのです。

1日に摂取して良いエネルギー量は、年齢や身長、体重、運動の有無などによって異なります。
まずは自分の適性エネルギー量を調べ、余分なエネルギーは摂取しないように意識してみて下さい。
そしてその中で、可能な限り栄養バランスの良い食品の組み合わせを探してみましょう。
また、食べる順番を変えることで血糖値が抑えられることも分かっています。
野菜→汁物→主菜→炭水化物の順に食べると糖の吸収が緩やかになるのでおすすめです。
食物繊維の多い食品(きのこ類など)は先に食べると良いとされています。

摂取したい栄養素

血糖値が気になる方に摂取してほしい栄養素をいくつかピックアップしました。
1つずつ確認していきましょう。

ビタミン

糖尿病を発症すると、高血糖によって乱れた脂肪の代謝バランスを何とか戻す為に、体内のビタミンが消費されるので、ビタミン不足になりがちです。
ビタミン不足は様々な不調を招きます。
各ビタミンの欠乏症も恐ろしいですが、糖尿病の合併症としては動脈硬化、脳梗塞、心疾患などを引き起こすリスクが高まる可能性がありますので注意が必要です。
野菜、果物、魚、肉など、多種多様な食品から摂取できますので、ご自身に必要なものを調べてみましょう。

食物繊維

食物繊維は食後の急激な血糖値の上昇を抑えたり、便通を改善したりしてくれる心強い存在です。
また、食物繊維の多い食品は噛む回数が増加する為、少量でも満腹感が得られます。
肥満体型の方や、つい食べ過ぎてしまうという方にこそ、おすすめです。
穀類、豆、芋、野菜、果物、きのこ、海藻などに多く含まれています。

マグネシウム

ミネラルの一種であるマグネシウムは、体内の代謝を助ける重要な栄養素の1つです。
高血糖とはすなわち代謝異常が続いている状態ですので、積極的なマグネシウムの摂取により数値の安定が目指せる可能性があると示唆されています。
重要でありながら体内では合成できない栄養素の為、食事での摂取を意識しなければなりません。
食品では、穀類、豆、魚介類、海藻、ナッツなどが代表的です。

カテキン

カテキンには、消化酵素の働きを抑制して脂肪の吸収を妨げる作用があることから、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
「食後に緑茶を飲んでいる方は、糖尿病の発症率が33%減少した」という研究結果もあるようです。
健康に良い栄養素として知られていますが、摂り過ぎると胃腸障害などを引き起こす可能性があるので注意しましょう。
ポリフェノールの一種として、お茶(特に緑茶)、果物、チョコレートなどに含まれています。