糖尿病予備軍とは?

糖尿病予備軍とは?

健康診断などで血糖値やHbA1cを測定した際、「ギリギリだけど糖尿病の基準値には届いてないからまだ大丈夫」と安心した経験はありませんか?
基準値を大幅に下回っていれば問題ありませんが、ギリギリ届いていないというのは決して安心できる状態ではありません。
正式に診断されていないだけで、すでに糖尿病予備軍(境界型糖尿病)の一員です。

以下に該当する場合には、糖尿病の前段階である糖尿病予備軍と見なされます。

  • HbA1cが6.0から6.5%
  • 空腹時血糖値が110から125mg/dl
  • 75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)で2時間後の血糖値が140mg/dl以上200㎎/dl未満

糖尿病予備軍の方は、糖尿病を発症する可能性が極めて高い状態にあります。
手遅れになる前に、早めの対処を心掛けましょう。

糖尿病予備軍と合併症

糖尿病予備軍の方はすでに慢性的な高血糖になっているケースが多く、危険な合併症を引き起こすリスクも高いです。
糖尿病患者の方よりは低リスクとされていますが、健常な方と比べると格段に高いので注意しましょう。
高血糖の脅威は目に見えません。
自覚できないところから症状が進行し、気付いた時、すなわち糖尿病と診断された時には手遅れ…といったケースも多々あります。
自覚がなくとも、血行不良や神経障害、網膜症、腎機能障害といった症状の進行は始まっていると考えて下さい。

米国の調査では、糖尿病予備軍の方は健常な方に比べて心血管系障害(心筋梗塞や脳卒中など)の発症リスクが上昇することが報告されています。
さらに、糖尿病予備軍に分類された方は、血糖値を正常に戻せたとしても、合併症の発症リスクは軽減できないとのことです。
合併症での死亡率は健常な方の2倍にも及ぶとされています。
予備軍のうちに必要な知識や対処法を身に付け、健康に気を配ると良いでしょう。

参考:米国心臓病学会

糖尿病にならないために

糖尿病は、元々なりやすい素因を持った方が、日常生活に潜むちょっとしたことをキッカケにして発症する疾患です。
先天的な素因の解消は難しいものの、生活習慣の改善であればすぐにでも始めることができます。
糖尿病予備軍の段階から早めに行動を開始しておけば、本格的な糖尿病の発症や症状の重症化を予防できるでしょう。
高血糖の自覚がある方は、以下に気を付けながらの生活を心掛けてみて下さい。

  • 毎日規則正しい生活をする
  • 暴飲暴食は避け、カロリー控えめの食事を心がける
  • 食事は良く噛み、ゆっくりと時間をかけて摂取する
  • 無理の無い範囲で適度な運動を行う
  • 飲酒は留める
  • ストレスを溜めない生活をする
  • 医薬品やサプリメントの使用を検討する
  • 肥満症の改善