うつ病とは?

うつ病とは?

うつ病(うつ状態)は、未だ発症原因が解明されていない気分障害の一種です。
気分が落ち込む、無気力になる、希死念慮や自殺念慮が強く現れる、身体的な不調が続くなどの症状によって日常生活に支障をきたしてしまいます。
それとは逆に、異常なほど気分が高揚して開放的になったり、攻撃的な言動が目立つようになったりする躁病(躁状態)も、同様に気分障害の一種です。
これらが同時に発症し、精神状態が激しく上下してコントロールできない場合は双極性障害(躁うつ病)と呼ばれます。
それぞれ適切とされる治療方法が異なる為、自分や身近な方の様子が少しでもおかしいと感じたら、まずは医療機関へ相談しましょう。

厚生労働省によると、日本ではおよそ100人のうち6人がうつ病を経験しているとされています。
特に、妊娠や出産、更年期といったライフステージの変化が大きい女性の方は発症しやすい傾向にあるようです。

参考:厚生労働省「うつ病」

糖尿病とうつ病

糖尿病患者のうち、およそ30%の方にうつ症状が見られると報告されています。
糖尿病治療には、食事や運動の管理定期的な投薬医療費の負担、仕事や家庭との両立の難しさといった心身へのストレスが付き物です。
このストレスを上手く逃がしきれずに溜め込んでしまうとうつ病の発症へと繋がります。
また、うつ病になると多くの思考や行動に対する気力が希薄になることから、食生活の乱れや運動不足が慢性化し、糖尿病を発症しやすい身体になってしまうので注意が必要です。
どちらが先かに関わらず、併発した状態を放置すると、双方の症状が悪化して命にかかわる重篤な合併症を引き起こすリスクが飛躍的に高まります。

また、どちらも初期段階では自覚症状が薄い為、早期発見が難しいのも厄介な類似ポイントです。
根本の原因がどこにあるのかは、専門の医師でも判別が困難な場合があります。
気が付いた時には重症だった…といった事態を避ける為にも、ご自身と向き合う時間や周囲の方々を頼る勇気、医療機関を受診するという選択肢を常に持ち続けられるよう意識してみて下さい。

以下は、うつ病に罹った場合に現れやすい症状の一例です。

  • 体重が減った
  • 食欲がない
  • 眠りすぎる
  • 動きや話し方が遅くなった
  • 性欲が減った
  • 悲しい気持ちが消えない
  • 以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
  • 集中したり、物事を決めたりすることが難しい
  • 自分を大切に思えない
  • 失敗したわけではないのに罪悪感がある
  • 死にたいと思う

健全な生活を目指して

健全な生活を目指して

糖尿病治療はストレスと隣り合わせです。
真面目に頑張って取り組んでいても望んだ成果が出なかったり、終わりのない糖尿病生活に嫌気が差してしまったりすると、心身に大きな負荷がのし掛かってきます。
強い不安やストレスを感じたら、まずはかかりつけの医師へ相談してみて下さい。
それから、身近な方々の力を借りる、限界が来る前に十分な休養を摂るなどの対応も必要です。
医療機関と連携し、自分にも相手にも無理のない範囲で、不自由のない日常生活を目指しましょう。

身近な方が糖尿病とうつ病を併発してしまった場合は、投薬や通院を含めた日常生活のサポートを行う他、できるだけ肯定的な気持ちで相手の方のお話に耳を傾けることも有効です。
親身に寄り添ってくれる味方がいるのだと実感することで、心が軽くなるケースもあります。